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"グリモワールの呪書"
二千年前、平和なシェーンで突如、不老不死たる吸血鬼が次々に殺される事件が起きた。
その一連の事件を、グリモワールの呪書、と呼称している。
吸血鬼と人間の差異、そこから生まれる小さく大きな争いを悲哀した一人の吸血鬼《ソフィア》は、所持者の力を不老不死の吸血鬼を殺せるように改変し、その力を跳ね上げる代わりに、所持者に「吸血鬼を殺させるように仕向ける」魔書"グリモワール"を書き記し、吸血鬼を滅ぼす事で、世界から差異差別を無くそうとした。
結果的に当時の律と防人を始め、多くの吸血鬼が、人間が、剣を握り、力を翳し、──悲劇は食い止められ、ソフィアの記した呪いの書グリモワールは今、ようやく世界から消え去ったとされている。
二千年経った今も尚、吸血鬼と人間の関係に大きな変化がないのは、この事件が一因とも言えるだろう。